前回(音楽理論#4)は、「メジャースケール」についてご紹介しました。
「スケールってなに?」「メジャースケールがよくわからない」という方は、過去の記事を合わせてご確認ください!
今回は、「マイナースケール」についてご紹介します!
マイナースケール(Minor Scale – 短音階)
メイジャースケールは1種類でしたが、マイナースケールは3種類あります。
- ナチュラルマイナースケール(Natural Minor Scale)
- ハーモニックマイナースケール(Harmonic Minor Scale)
- メロディックマイナースケール(Melodic Minor Scale)
それぞれ、どのような違いがあるのか見ていきましょう。
ナチュラルマイナースケール(Natural Minor Scale – 自然短音階)
ナチュラルマイナースケールは、以下の度数の組み合わせを持つスケールになります。
完全1度・長2度・短3度・完全4度・完全5度・短6度・短7度・完全8度
メジャースケールとの違いは、「短3度」「短6度」「短7度」の3つやね
全音か半音の組み合わせは、以下の通りです。
全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音
メイジャースケール(全全半全全全半)の6番目の音から始めた順番と一緒になるよ!
各ルート(根音)から始まるナチュラルマイナースケールは以下の音を使用します。
(ドレミファソラシド = CDEFGAB)
P1 | M2 | m3 | P4 | P5 | m6 | m7 | P8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
C | D | E♭ | F | G | A | B♭ | C |
C# (D♭) | D# (E♭) | E (F♭) | F# (G♭) | G# (A♭) | A (B♭♭) | B (C♭) | C# (D♭) |
D | E | F | G | A | B♭ | C | D |
D# (E♭) | E# (F) | F# (G♭) | G# (A♭) | A# (B♭) | B (C♭) | C# (D♭) | D# (E♭) |
E | F# | G | A | B | C | D | E |
F | G | A♭ | B♭ | C | D♭ | E♭ | F |
F# (G♭) | G# (A♭) | A (B♭♭) | B (C♭) | C# (D♭) | D (E♭♭) | E (F♭) | F# (G♭) |
G | A | B♭ | C | D | E♭ | F | G |
G# (A♭) | A# (B♭) | B (C♭) | C# (D♭) | D# (E♭) | E (F♭) | F# (G♭) | G# (A♭) |
A | B | C | D | E | F | G | A |
A# (B♭) | B# (C) | C# (D♭) | D# (E♭) | E# (F) | F# (G♭) | G# (A♭) | A# (B♭) |
B | C# | D | E | F# | G | A | B |
ハーモニックマイナースケール(Harmonic Minor Scale – 和声短音階)
ハーモニックマイナースケールは、以下の度数の組み合わせを持つスケールになります。
完全1度・長2度・短3度・完全4度・完全5度・短6度・長7度・完全8度
ナチュラルマイナースケールとの違いは、「長7度」やね
1度のコードに強く戻りたい性質をもつ5度のコードを、ドミナントコードと言います。
ナチュラルマイナースケールでは、この5度のコードタイプがⅤm7になってしまいます。これを、Ⅴ7というセブンスコードに変えるために、ハーモニックマイナースケールが作られました。
全音か半音の組み合わせは、以下の通りです。
全音・半音・全音・全音・半音・短3度・半音
ハーモニックマイナーには、全音・半音で表せない箇所が出てきてしまうんよ。これを解消するために、下で紹介するメロディックマイナースケールが生まれたよ!
各ルート(根音)から始まるハーモニックマイナースケールは以下の音を使用します。
(ドレミファソラシド = CDEFGAB)
P1 | M2 | m3 | P4 | P5 | m6 | M7 | P8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
C | D | E♭ | F | G | A | B | C |
C# (D♭) | D# (E♭) | E (F♭) | F# (G♭) | G# (A♭) | A (B♭♭) | B# (C) | C# (D♭) |
D | E | F | G | A | B♭ | C# | D |
D# (E♭) | E# (F) | F# (G♭) | G# (A♭) | A# (B♭) | B (C♭) | C× (D) | D# (E♭) |
E | F# | G | A | B | C | D# | E |
F | G | A♭ | B♭ | C | D♭ | E | F |
F# (G♭) | G# (A♭) | A (B♭♭) | B (C♭) | C# (D♭) | D (E♭♭) | E# (F) | F# (G♭) |
G | A | B♭ | C | D | E♭ | F# | G |
G# (A♭) | A# (B♭) | B (C♭) | C# (D♭) | D# (E♭) | E (F♭) | F× (G) | G# (A♭) |
A | B | C | D | E | F | G# | A |
A# (B♭) | B# (C) | C# (D♭) | D# (E♭) | E# (F) | F# (G♭) | G× (A) | A# (B♭) |
B | C# | D | E | F# | G | A# | B |
メロディックマイナースケール(Melodic Minor Scale – 旋律短音階)
メロディックマイナースケールは、以下の度数の組み合わせを持つスケールになります。
ナチュラルマイナースケールとの違いは、「長6度」「短7度」の3つやね
クラシックの場合は、メロディが下がる時には「ラソファミ↓」のように、ナチュラルマイナースケールに戻るよ。これは、メイジャースケールに聞こえてしまうことを防ぐためなんよ。
ジャズなど、ポピュラーミュージックの場合は、上昇系と同じ度数を用いることも多いから要注意!
全音か半音の組み合わせは、以下の通りです。
上昇系の場合は、5度と6度、7度と8度の音程が、ナチュラルマイナースケールと違うよ
各ルート(根音)から始まるメロディックマイナースケールは以下の音を使用します。
(ドレミファソラシド = CDEFGAB)
P1 | M2 | m3 | P4 | P5 | M6 | M7 | P8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
C | D | E♭ | F | G | A# | B | C |
C# (D♭) | D# (E♭) | E (F♭) | F# (G♭) | G# (A♭) | A# (B♭) | B# (C) | C# (D♭) |
D | E | F | G | A | B | C# | D |
D# (E♭) | E# (F) | F# (G♭) | G# (A♭) | A# (B♭) | B# (C) | C× (D) | D# (E♭) |
E | F# | G | A | B | C# | D# | E |
F | G | A♭ | B♭ | C | D | E | F |
F# (G♭) | G# (A♭) | A (B♭♭) | B (C♭) | C# (D♭) | D# (E♭) | E# (F) | F# (G♭) |
G | A | B♭ | C | D | E | F# | G |
G# (A♭) | A# (B♭) | B (C♭) | C# (D♭) | D# (E♭) | E# (F) | F× (G) | G# (A♭) |
A | B | C | D | E | F# | G# | A |
A# (B♭) | B# (C) | C# (D♭) | D# (E♭) | E# (F) | F× (G) | G× (A) | A# (B♭) |
B | C# | D | E | F# | G# | A# | B |
メイジャースケールとマイナースケールの関係
この章で話すマイナースケールとは、ナチュラルマイナースケールのことです。
メイジャースケールとマイナースケールの関係を見ていきましょう。
例えば、CメイジャースケールとAマイナースケールは、まったく同じ音で構成されています。
音の並べ方が違うだけで、一方は明るく、もう一方は暗く聞こえるから不思議やね。
マイナースケールは、メイジャースケールの6番目の音から始めたスケールと考えることができます。
これは、平行調(Prallel Key)と同様の考え方で求めることができます。
平行調の探し方
2種類の方法で、平行調を探してみましょう。
メイジャースケール | マイナースケール |
---|---|
C | Am |
C# (D♭) | A#m (B♭m) |
D | Bm |
D# (E♭) | B#m (Cm) |
E | C#m |
F | Dm |
F# (G♭) | D#m (E♭m) |
G | Em |
G# (A♭) | E#m (Fm) |
A | F#m |
A# (B♭) | F×m (Gm) |
B | G#m |
まとめ
最後まで、ご覧いただきありがとうございます!
今回は、マイナースケールについてご紹介しました。
「スケール = 度数の組み合わせ」という特性上、スケールは無数に存在します!
オリジナルのスケールを考えてみてもいいかもしれません(既存のスケールになる可能性もありますが)。
他にも音楽理論の記事がございます。よろしければ、あわせてご覧ください!
また、YouTubeでも、音楽理論の解説などをおこなっています。
フリーアトリエ晴星(YouTubeチャンネル)
いちど、ご視聴いただけると嬉しいです☺️