綾辻行人先生の館シリーズの「読むべき順番」と「特におすすめの1作」について紹介していきます。
読了本チェックリストもあるから、使ってみてね!
館シリーズとは
著者:綾辻行人
館シリーズとは、『Another』でも有名な小説家・綾辻 行人先生が書かれた、長編推理小説のシリーズです。
綾辻先生は、「秘密の抜け道」や「隠し部屋」といった、本格ミステリでは禁じ手と言われていたものをあえて用い、新本格ムーブメントを作り出した方です!
刊行順
館シリーズは、2023年10月時点で、9作品+番外編1作品の計10作品が刊行されています。
番外編を除いて、全10作品になることを明言されており、ファンは最後の10作品目を心待ちにしています!
『十角館の殺人』の漫画版完結記念の清原紘先生との対談(2022年6月)にて、10作品目の構想を進めています、とおっしゃられていたので、もうそろそろなのかなとワクワクしています!
(2022/10/29追記)
綾辻先生の公式Twitterにて、10作目が『双子館の殺人』と発表されました! 発売が楽しみ!!
No | 作品名 | 刊行年月 (単行本) | 刊行年月 (文庫本) | 刊行年月 (新装改訂版) | 巻数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 十角館の殺人 | 1987.9 | 1991.9 | 2007.10 | 1 |
2 | 水車館の殺人 | 1988.2 | 1992.3 | 2008.4 | 1 |
3 | 迷路館の殺人 | 1988.9 | 1992.9 | 2009.11 | 1 |
4 | 人形館の殺人 | 1989.4 | 1993.5 | 2010.8 | 1 |
番外編 | 霧越邸殺人事件 | 1990.9 | 1995.1 | 2014.3 | 2 |
5 | 時計館の殺人 | 1991.9 | 1995.6 | 2012.6 | 2 |
6 | 黒猫館の殺人 | 1992.4 | 1996.6 | 2014.1 | 1 |
7 | 暗黒館の殺人 | 2004.9 | 2007.10~11 | 2014.6 | 4 |
8 | びっくり館の殺人 | 2006.3 | 2010.8 | 2014.6 | 1 |
9 | 奇面館の殺人 | 2012.1 | 2015.4 | 2015.5 | 2 |
10 | 双子館の殺人 | 未発表 | 未発表 | 未発表 | 未発表 |
お決まりの登場人物
島田 潔(しまだ きよし)
館シリーズの探偵役。浅黒い顔に落ち窪んだ目、鷲鼻を持つ。男性。
寺の三男坊。定職にはつかず、実家の手伝いをしながら各地を放浪。
中村青司の建築物に魅せられており、館を訪れては事件に遭遇している。
「島田潔」という氏名は、「小説家・島田荘司先生の苗字」と、島田荘司先生の作品・御手洗潔シリーズに登場する「探偵・御手洗潔の名前」が由来となっています。
こんなにシリーズ化するとは想定していなかったから、冗談半分で付けていたそう
江南 孝明(かわみなみ たかあき)
1作品目の『十角館の殺人』では、大学生だった。
好奇心旺盛な性格で、島田と一緒に謎解きを行う。男性。
大学卒業後は、大手出版社「稀譚社」に勤務している。島田と再会し、たびたび行動を共にするようになる。
『十角館の殺人』の漫画版では、女子大生に変更されている。
中村 青司(なかむら せいじ)
館シリーズに出てくる奇妙な建造物を作った建築家。
彼が手がけた館には、必ず「なんらかの隠し部屋・隠し通路・隠しギミック」などが設置されている。
『十角館の殺人』にて、すでに故人であるとされている。
あの有名な一言で館シリーズにハマる
「有名な一言」。これだけで館シリーズを読んだ方には、「ああ、あれのことね」という共通認識があります。
1作目の『十角館の殺人』の物語が9割ほど過ぎたあたりで登場するこの一言。
読んだ瞬間、叫びました。
あぁあぁあぁああああああーーーーーー!!!!!!
この感情を誰かに共有したくて、友人にも読んでもらったところ、友人も同じように叫んだと言います。
叙述トリックとは、このことを言うんだな、と唸りました。
1作目を読んでしまってからは、もう止まりませんでした。全巻まとめ買いをし、4ヶ月かけて14冊読み切り、その後、番外編にあたる『霧越邸殺人事件』の上下2冊も読みました。
館シリーズが、「そういえば読書って楽しかった」と思い出させてくれた作品でした。
そういや、子どもの時からミステリー小説が好きだったわ
読む順番
1作品ずつ完結はしていますが、やはりシリーズものということもあり、前の作品の事件が後の作品の中に登場します。
そのため、館シリーズは、シリーズ1作目から順番に読むことを推奨いたします!
1. 十角館の殺人
著者:綾辻行人
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html
漫画版
映像化・漫画化は不可能と言われていた本作のトリックでしたが、清原紘先生の手によって漫画化を果たし、2022年6月に完結しました。コナンちゃんがかわいい漫画版もおすすめです!
漫画:清原紘、原作:綾辻行人
原著は累計100万部突破! 綾辻行人の新本格ミステリ『十角館の殺人』を美麗画力の清原紘が“コミックリメイク”!!
https://afternoon.kodansha.co.jp/c/jukkakukan.html
孤島に建つ十角形の奇妙な館を、大学のミステリ研究会に所属する7人が訪ねる。この館を設計した中村青司(なかむらせいじ)は、半年前に謎の焼死を遂げていた。そして、凄惨な殺人劇が、幕を開ける――。
実写映像版
実写不可能と言われつづけてきた『十角館の殺人』が、ついに映像化されました!
Huluオリジナル作品として独占配信されています。
事件編4話・解決編1話の全5話で、ボリュームたっぷりです!
原作未読の方も、既読の方も、ぜひ一度ご視聴ください!
他の館シリーズも映像化されないかな〜
2. 水車館の殺人
著者:綾辻行人
仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館、水車館。1年前の嵐の夜を悪夢に変えた不可解な惨劇が、今年も繰り返されるのか? 密室から消失した男の謎、そして幻想画家・藤沼一成の遺作「幻影群像」を巡る恐るべき秘密とは……!? 本格ミステリの復権を高らかに謳った「館」シリーズ第2弾。
http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html
3. 迷路館の殺人
著者:綾辻行人
奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた4人の作家たちは莫大な”賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった! 周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第3作。初期「新本格」を象徴する傑作!
http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html
4. 人形館の殺人
著者:綾辻行人
父が飛龍想一に遺した京都の屋敷――顔のないマネキン人形が邸内各所に佇む「人形館」。街では残忍な通り魔殺人が続発し、想一自身にも姿なき脅迫者の影が迫る。彼は旧友・島田潔に助けを求めるが、破局への秒読みはすでに始まっていた!? シリーズ中、ひときわ異彩を放つ第4の「館」。
http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html
番外編. 霧越邸殺人事件
著者:綾辻行人
信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」。訪れた劇団「暗色天幕」の一行を迎える怪しい住人たち。邸内で発生する不可思議な現象の数々……。閉ざされた“吹雪の山荘”で、やがて美しき連続殺人劇の幕が上がる。緻密な推理と思索の果てに待ち受ける驚愕の真相とは!?
https://www.kadokawa.co.jp/product/322109000639/
5. 時計館の殺人
著者:綾辻行人
鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の”取材班”の一員としてこの館を訪れる。館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。閉ざされた館内ではそして、恐るべき殺人劇の幕が上がる!
http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html
6. 黒猫館の殺人
著者:綾辻行人
大いなる謎を秘めた館、黒猫館。火災で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬の奇妙な依頼を受け、推理作家・鹿谷門実と江南孝明は、東京から札幌、そして阿寒へと向かう。深い森の中に建つその館で待ち受ける、”世界”が揺らぐような真実とは!? シリーズ屈指の大仕掛けを、読者(あなた)は見破ることができるか?
http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html
7. 暗黒館の殺人
著者:綾辻行人
蒼白い霧の峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴……。著者畢生の巨編、ここに開幕!
http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html
8. びっくり館の殺人
著者:綾辻行人
あやしい噂が囁かれるお屋敷町の洋館、その名もびっくり館。館に住む少年と友だちになった三知也たちは、少年の祖父が演じる異様な腹話術劇におののくが……クリスマスの夜、ついに勃発する密室の惨劇! 悪夢の果てに待ち受ける戦慄の真相とは!?
http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html
9. 奇面館の殺人
著者:綾辻行人
奇面館主人・影山逸史が主催する奇妙な集い。招待された客人たちは全員、館に伝わる”鍵の掛かる仮面”で顔を隠さねばならないのだ。季節外れの大雪で館が孤立する中、〈奇面の間〉で勃発する血みどろの惨劇。発見された死体からは何故か、頭部と両手の指が消えていた!
http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html
10. 双子館の殺人
Comming Soon…
読了本チェックリスト
✅ 読了した作品にチェックをつけよう!
※Cookie(クッキー)を削除するとチェックした状態が消えるためご注意ください。
📚 冊中 冊 読了しています📚
おすすめの1作
私が1番好きな、おすすめしたい1作は――
7作目の『暗黒館の殺人』です!
文庫版全4巻・総原稿枚数2,500枚と、もっとも長い作品ではあるのですが、その分、物語の世界にどっぷり浸かることができます。
読み終わるころには、「ああ、この世界とお別れなのか」と寂しくなりました。
まだ、暗黒館の世界をみていたい
「中村青司が関わっている」という噂を聞き、持ち前の好奇心で暗黒館へと向かう江南。
「中也」と呼ばれている私や、ひとり冒険に出た中学生の市郎。
視点があっちこっちに移動するため、正直読みやすくはありません。しかし――
など、どんどんと奇妙なものが登場し、異世界へ迷い込んでいるような気分に。
そして最後、館シリーズすべてに繋る秘密が明かされた時は、気持ちがよかった。
この作品で、改めて館シリーズにハマりました。
新本格ミステリというよりは、どこかファンタジーのような雰囲気をまとった本作ですが、個人的な好みにドンピシャリでした!
前に6作品ある + 『暗黒館の殺人』自体も4冊と、読書のハードルは高いと思うのですが、ぜひ、前の6作品すべてを読んでから、チャレンジしてみてください!
著者:綾辻行人
まとめ
館シリーズは、以下の順番で読むことをおすすめいたします!
1 | 十角館の殺人 |
2 | 水車館の殺人 |
3 | 迷路館の殺人 |
4 | 人形館の殺人 |
5 | 霧越邸殺人事件 |
6 | 時計館の殺人 |
7 | 黒猫館の殺人 |
8 | 暗黒館の殺人 |
9 | びっくり館の殺人 |
10 | 奇面館の殺人 |
読んだよ〜という方は、Twitter(X)で交流いただけると嬉しいです!
ぜひ、読んだ方と、感想を語り合いたい
最後まで、ご覧いただきありがとうございます!
他にも、小説や漫画をご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
また、YouTubeでも、書籍の紹介などをおこなっています。
フリーアトリエ晴星(YouTubeチャンネル)
いちど、ご視聴いただけると嬉しいです☺️